刻印。


 ハリーはつかまれていた腕をぐいと引き離し、急に立ち上がってアンブリッジを見つめた。アンブリッジはしまりのない大口を笑いの形に引き伸ばして、ハリーを見つめ返した。
「痛いでしょう?」アンブリッジがやさしげに言った。
 ハリーは答えなかった。心臓がドクドクと激しく動機していた。手のことを言っているのだろうか、それともアンブリッジは、いま額に感じた痛みを知っているのだろうか?

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
第一三章〜アンブリッジのあくどい罰則〜より


アンブリッジに触れられて額に痛みが走ったときのハリーの反応が好きです。
何故傷が痛んだのか、このときはまだ判らないハリーの動揺具合が好きなのです。