刻印。


「――ハリー、君の手の甲、それ、何?」
 ハリーは、空いていた右手で鼻の頭を掻いたところだったが、手を隠そうとした。しかし、ロンがクリーンスイープを隠し損ねたのと同じだった。
「ちょっと切ったんだ――何でもない――なんでも――」
 しかし、ロンはハリーの腕をつかみ、手の甲を自分の目の高さまで持ってきた。一瞬、ロンが黙った。ハリーの手に刻まれた言葉をじっと見て、それから、不快な顔をしてハリーの手を離した。
「あいつは書き取り罰則をさせてるだけだって、そう言っただろ?」

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
第一三章〜アンブリッジのあくどい罰則〜より


ここのシーン、大好きです。
何をさせられてるか隠し通そうとするハリーと、その手の傷に気付いてしまうロン。
この時のハリーに対するロンの様子、目に浮かぶようです。
ロンが傷に気付いてくれたことと、ハリーの手を見てアンブリッジが
ただの書き取りをさせていたのではないと察してくれたことが嬉しくて、
何度も読み返してしまいました。