大事なものだけは見失わないように 生きているつもりでもいつの間にかそれは 指先から零れおちてゆく。失ってもすぐには気付かない。大抵気付いた時には もう手の届かぬ場所へ行ってしまっている。 人は哀しい生き物です。触れたら壊してしまいそうで 手を伸ばすことも出来ない。 臆病なのではなく。それはただひたすら 恐怖と葛藤に苛まれるからのこと。 何も失いたくなどないのに。 人は切ない生き物です。